地球温暖化対策、法律改正まで議論に

2021.03.15
コラム

地球温暖化対策、法律改正まで議論に

地球温暖化対策、法律改正まで議論に

地球温暖化対策の法改正について

「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が3月2日に閣議決定されました。
この法律案は、第204回通常国会に提出される予定です。

法改正の背景

パリ協定に定めた目標である「世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、更に1.5℃までに制限する努力を継続すること」等を踏まえて、我が国も菅首相が昨年10月に2050年に向けたカーボンニュートラル宣言をしました。
これにより、自治体や企業もこの政府の動きに大きく賛同し、様々な脱炭素に関わる活動が活発化しています。

こうした状況を受けて、環境省は昨年の10月~12月に「地球温暖化対策の推進に関する制度検討会」を開催し、地球温暖化対策の更なる推進に向けた今後の制度的対応の方向性について取りまとめました。
というのも、2050年に向け地球温暖化対策を更に推進するためには、法律の一部を改正しなければならないからです。

改正案は?

  1. パリ協定・2050年カーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念の新設
  2. 地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設
  3. 脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進等

この3つが改正案となっています。

1つ目は、パリ協定の目標や2050年カーボンニュートラル宣言を基本理念として、新たに法に位置付けるというものです。
地球温暖化対策に関する政策の方向性を法律に明記することで、政策の継続性・予見可能性を高め、国民・地方公共団体・事業者などの脱炭素に向けた取り組みや投資を促進させる効果を狙います。

2つ目は、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度を創設します。
地域に方針に適合する再エネ活用事業に対し、関係する行政手続のワンストップ化などの特例を導入することで、より円滑に導入を促せるというものです。
こちらは、太陽光発電システムの導入支援や認定制度にもリンクしてきそうです。

3つ目は、脱炭素経営の促進に向けた企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化の推進というもの。
温室効果ガス排出量報告を原則デジタル化するとともに、開示請求を不要にし、公表までの期間を現在の「2年」から「1年未満」に短縮することを盛り込んでいます。
デジタル化により報告する側・データを使う側双方の利便性向上を図るとともに、手続きの簡略化も含め企業の排出量情報を活用しやすくすることで、脱炭素経営の更なる実践を促す基盤を整えるというものです。

地球温暖化対策への変化

昨年10月、菅首相のカーボンニュートラル宣言から、政府や自治体、企業の活動に留まらず、法改正に至るまで変化が顕れてきています。
エネルギー機器を取り扱う当社としても、我が国の動きに遅れを取らず、少しでも地球温暖化対策に貢献していきたいと思います。

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